高木貞治50年祭記念事業

趣旨説明

日本の数学の近代化において、高木貞治先生の存在は非常に大きなものがあります。 東京・上野の国立科学博物館において、2008年11月22日から2009年1月12日まで、日本の科学者技術者展第7回として、「数学 日本のパイオニアたち」が開催されましたが、 この展示会でも、「世界的な業績を残した近代日本の数学者―高木貞治」と紹介しています。高木貞治先生は1960年2月28日に物故せられ、2010年は、没後50周年にあたります。日本数学会は、今年度を、高木貞治50年祭年として、記念事業を行うこととなりました。この事業の目的は、高木貞治先生の事績を振り返り、顕彰し、次世代育成に資することで、そのために、伝記・業績再調査(数学的・社会的影響を含む)事業、出版事業、展示会、講演会、その他の行事を行います。

高木貞治50年祭記念事業の概要

  1. DVD「世界的な業績を残した近代日本の数学者--高木貞治」の作成と 各数学教室への配布
  2. 高木貞治50年祭記念講演会
  3. 展示 「高木貞治先生と日本の数学の教育研究」

News

  1. 2010年度秋季総合分科会(名古屋大学)市民講演会の会場(2010年9月26日(日)14:00-16:30、名古屋大学野依記念学術交流会館)で高木貞治50年記念のポスター展示を行います
  2. 「高木貞治に見る数学思想の変遷」(足立恒雄会員、「数学通信」15巻2号)
  3. 「数学教育と高木貞治先生」(野崎昭弘会員、「数学通信」15巻2号)
  4. 高木貞治50年祭記念学術講演会および市民講演会のビデオを公開しました
  5. 高木貞治50年祭記念市民講演会を開催しました.講演Presentation File を公開しています
  6. 「高木貞治没後50年 色あせぬ業績」(朝日新聞2010年2月16日朝刊)
  7. 朝日新聞 Globe「数学という力」(2010年2月1日朝刊)において、高木貞治先生のインタビューから「『実用』と言っても、本当には実用にはならない。実用的というのは、つまり融通が利かないということだ」を引用
    1. 引用されたNHK第一ラジオ放送「朝の訪問 高木貞治」
  8. 「高木貞治先生の思い出あれこれ」(岩波書店が高木先生没後50年を記念して作成)
    1. 「解析概論について」(高木貞治、岩波講座「数学」の月報5から)
    2. 高木貞治先生からから岩波茂雄氏への書簡・晩年のヒルベルトを久しぶり高木先生が訪問したときの記録(岩波講座「数学」の月報から)
  9. 朝日新聞2009年12月4日朝刊の科学面で「日本数学会は、日本の数学の近代化に尽くした数学者、高木貞治(1875~1960)と菊池大麓(1855~1917)の両氏の生涯や業績、インタビューなどを 盛り込んだDVDを作り、希望者に提供している。」と報道されました。
  10. 高木レクチャーと展示「高木貞治先生と日本の数学の教育研究」を開催(2009年11月23日、本会web 広報)
  11. 高木貞治紹介DVD・菊池大麓紹介DVDの配布について(真島秀行、「数学通信」14巻3号)(PDF版)
  12. 「数学者:世界的に名高い高木貞治博士の生涯 DVD化」(毎日新聞2009年9月26日web版)
  13. 国立科学博物館における菊地大麓先生・高木貞治先生・小平邦彦先生のレリーフ(2009年10月26日、本会web広報)
  14. アーカイブ室新聞、中桐正夫氏(国立天文台アーカイブ室)、2008年6月13日 第22号(寺尾寿教授在職25年祝賀会の写真に高木貞治先生が写っています)

高木貞治50年祭記念講演会

高木貞治50年祭記念高木レクチャー
2009年11月21日(土)22日(日)23日(祝)
場所:東京大学大学院数理科学研究科
情報
京都大学数理解析研究所研究集会「代数的整数論とその周辺」企画講演 高木貞治50年祭記念学術講演会
2009年12月9日(水)午後
場所:東京大学大学院数理科学研究科
情報
高木貞治50年祭記念市民講演会
2010年2月20日(土)13:30-16:30
場所:東京大学大学院数理科学研究科
情報

Poster(PDF)

展示 高木貞治先生と日本の数学の教育研究

年表などのパネルの展示、高木貞治先生の自筆ノートの展示、DVDの放映、著書の展示、関係資料の展示

  1. 2009年11月21日--23日、高木貞治50年祭記念高木レクチャー、東京大学大学院数理科学研究科において
  2. 2009年12月9日、京都大学数理解析研究所研究集会 「代数的整数論とその周辺」企画講演 、高木貞治50年祭記念学術講演会、東京大学大学院数理科学研究科において
  3. 2010年2月20日、高木貞治50年祭記念市民講演会、東京大学大学院数理科学研究科において
  4. 2010年3月24日ー27日日本数学会年会、慶應義塾大学において
  5. これ以外の展示については、交渉中

高木貞治先生に関する記事---「数学」および「数学通信」から

書評

高木貞治著:近世数学史談・数学雑談(復刻版・合本)
評者:長谷川浩司 , 「数学通信」3巻3号, pp.65-
The Collected Papers of TEIJI TAKAGI 、岩波書店、初版(1973)、Springer-Verlag Berlin and Heidelberg , 2nd enlarged ed.(1990)
評者:滝沢周雄、「数学」27巻4号, pp.91--

論説など

高木 貞治, Stirlingの公式について
「数学」2巻4号(1950), pp.344-345
高木貞治, 回想
「数学」9巻2号, pp.65-66.[HTML版]
彌永昌吉, 高木先生を悼む
「数学」12巻2号, pp.118-119[HTML版]
末綱恕一, 高木先生の思い出
「数学」12巻3号, pp.131-132.[HTML版]
菅原正夫, 高木先生の思い出
「数学」12巻3号, pp.133-135.[HTML版]
高木貞治著書および論文目録
「数学」12巻3号, pp.135-136.[HTML版]
河田敬義, 高木先生と類体論
「数学」12巻3号, pp.136-
早川 圭蔵, 有理数体上のある種の可解な拡大体について(高木先生の論文への一つの注意)
「数学」20巻2号(1968), pp.97-98
小谷 健司, 高木の微分不可能関数について
「数学」47巻3号(1995), pp.288-289