日本数学会ビデオアーカイブ

2023年度 年会 市民講演会

日時: 2023年3月18日(木)14:25~15:25
会場: 中央大学 後楽園キャンパス 5号館5階5534教室

講演者

大島 利雄(城西大学数理・データサイエンスセンター)

講演題目

Japanese Theoremとカタラン数

講演概要

互いに交差しない対角線を用いて凸多角形を三角形に分割することを考えます.円に内接する多角形では,分割された三角形に内接円を描くと,その半径の総和が分割の仕方に依らない,という美しい結果が成り立ちます.これはJapanese Theoremと呼ばれています.丸山良寛という人が1800年に東北地方の鶴岡山王社という神社に奉納した算額に,四角形の問題が書かれていて,それが起源とされています.初等幾何のいくつかの定理と関係した多くの証明が知られています.
凸多角形の三角形分割は最近のいろいろな数学に現れています.また,分割の仕方の数は,カタラン数と呼ばれる数で,トーナメント戦の図やある条件を満たす道の数など様々な場合の数にも現れ,ランダムウォークとも関係します.
これらの話題を解説すると共に,多角形の三角形分割のような対象をコンピュータで如何に扱うか,ということにも触れたいと思います.

講演資料

https://www.mathsoc.jp/assets/pdf/activity/video/2023spring/2023_haru_oshima-p.pdf