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2021年度日本数学会出版賞

2021年度日本数学会出版賞は以下の方に授賞されます。

笠原晧司
笠原晧司氏は、大学1、2年生を主な対象とした教科書・読み物の執筆を通じて広く理学系の教養教育に多大な貢献をした。とくに、「対話・微分積分学」、「新微分方程式対話」などの会話形式による著作は、適切な題材を提供しつつ、初学者が抱く疑問に親切に答え、数学を楽しく学ばせてくれるものとなっている。1970年代以降今日に至るまで、数学の教育活動において果たした役割は、本賞に相応しいものである。
中央大学理工学部数学教室代表 三松佳彦、髙倉樹
集会 "ENCOUNTERwithMATHEMATICS"(以下 EwM)は1996年に三松佳彦氏により中央大学数学科で始められ1997年から髙倉樹氏も加わり現在までに74回開催されている。数学研究の最新の話題が専門家によって、深く、かつ、わかりやすく解説される場は、数学に携わる多くの研究者に分野にとらわれない交流を促し、また学部生、大学院生を含む次世代の研究者への大きな刺激となってきた。中央大学数学教室の後援のもとで今年度23年目をむかえるEwMを、三松、髙倉両氏が高い見識をもって安定的に運営していることは顕彰に値するものである。なお、出版賞の対象である著作活動としては、広く数学の普及活動という意味で授賞対象となった事例が種々あること、そしてEwMのホームページを通じて公開されている講義録の学術的価値をも考慮し、EwMを出版賞の対象とした。