男女共同参画社会推進委員会

日本数学会の男女共同参画社会推進への取り組み

日本数学会(男女共同参画社会推進委員会)

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Activities for the Promotion of Gender-Equality in Mathematics

The Mathematical Society of Japan

This report gives a summary of activities conducted by the Committee on Gender Equality of the Mathematical Society of Japan. This year 2011, we organize a symposium "Japanese and Korean Women Mathematicians, Current Status and Prospect of Women Mathematicians in Japan and Korea" in the annual meeting held at Shinshu University in September . We expect that this symposium provides us with an opportunity to exchange ideas for the promotion of Gender-Equality in Mathematics.

~男女共同参画社会推進委員会の活動について~

日本数学会の男女共同参画社会推進委員会は,その前身であるワーキンググループが2002年7月に,正規の委員会としては2004年9月に,理事会承認をもって設立されました.日本数学会は2011年4月現在の会員数が約5000名強,女性会員はほぼ5%前後と思われます.理事は12名,うち女性理事は現在3名を数えています.日本数学会は,その前身の1877年設立の東京数学会を含めますとおよそ130年の歴史が経過していますが,男女参画に関する意識が議論され始めたのは,2002年の男女共同参画学協会連絡会準備会への連携以来かもしれません.男女共同参画学協会連絡会には正式加盟学会として,当初から参加しております.

日本数学会の行事のうち,最も大きな学術的会合である学会(3月末の年会と9月末の秋季総合分科会)においては,保育室の定期的設置をおこなっています.学会の会場大学の一室を借りての適当な保育者の派遣や,近くの既設保育所の利用など,実情に合わせて適宜運営しています.また,国立女性教育会館主催の「女子中高生 夏の学校」にも,実験教室等の企画を提出し,定期的に参加しています.

本年2011年の信州大学理学部における秋季総合分科会においては,9月30日に「日韓女性数学者シンポジウム2011」という題目にて,男女参画を勢いよく進めている大韓民国数学会の女性数学者の会 KWMSの現状を学ぶなどの趣旨のもと,KWMS理事長および前理事長たちをお招きして,意見交換を行う場を設定しました.

一般に女子高校生の理系選択がなされる際には,高等学校教育課程での科目「数学」の影響が大きいと思われます.また,男女問わず全ての人々に日常生活に於ける高度な数学の必然性や重要性を伝えることは,案外簡単ではないようです.数学会の男女共同参画推進についても,具体的な取り組みを実施する場面においては試行錯誤を繰り返しながら活動しております.しかしながら,数学は科学を記述する基礎言語そのものである基本的な最重要学問として不可欠ですし,女性に向いていると捉えられている国も多いようです.これからも数学の能力に秀でた女子生徒が,優秀な女性数学者としてすくすくと成長するための素地作りや,数学の世界において日本の数学者・初等中等教育の数学教員・関係者たちが,男女ともに数学の学問および,数学をのびやかに発展させられる社会構造の両方を共に進歩させることが出来るよう,活動して参ります.