WEB広報・会員ニュース
2026年度日本数学会出版賞
2026年度日本数学会出版賞は以下の方に授賞されます。
- 浦川肇
-
浦川肇氏は、微分幾何学における幅広く重厚な研究を基盤として、数多くの良書を著し、幾何学を専攻する学部生・大学院生の教育と研究に多大に貢献した。
特に、調和写像理論が急速に発展した1990年代初頭に執筆された「変分法と調和写像」は現在も読み継がれ、英訳版も出版された優れた教科書である。また、連続と離散の理論を結び付ける「ラプラス作用素とネットワーク」をはじめとして、数学の工学的応用も視野に入れた書籍も複数執筆している。さらに近年では、藤原松三郎氏の古典的名著「微分積分学」、「代数学」を高木泉氏、藤原毅夫氏と共に現代仮名遣いに改めた新編として刊行し、日本の数学文化の継承にも尽力している。
浦川氏の長年にわたる精力的な出版活動は、日本数学会出版賞に相応しい功績である。
- ヨビノリたくみ、ヨビノリやす
-
2017年に開設されたYouTubeチャンネル <予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」> (略称:ヨビノリ) は、「理系の理系離れを防ぐ」という理念から数学・物理の大学学部レベルの講義動画を配信している。黒板を用いた伝統的なスタイルで、ユーモアを随所に忍ばせた講義は、大変見やすく編集されており、作り手の熱意と真剣さが伝わるものである。また、学術対談シリーズなどの「誰にでも分かるではなく、分かるようになりたい動画」は、数学を含む理系分野のアウトリーチの重要な観点である、学ぶ動機を喚起する内容として高い価値を持つ。
ヨビノリの活動は、YouTubeというメディアの特質を活かし、誰もがアクセスしやすい形で数学の教育・普及に大きく貢献してきたものであり、本賞にふさわしい。
一般社団法人 日本数学会