日本数学会ビデオアーカイブ

市民講演会 2019年度秋季総合分科会

  • 日時 2019年9月16日(月・祝) 15:30〜16:30
  • 会場 金沢市アートホール

講演者

松谷 茂樹 (金沢大学理工研究域)

講演題目

ことばとしての数学:楕円関数の源流としての弾性曲線論から学ぶこと

講演概要

数学には,有用性から遠くあるほど崇高であるものとして,人類の未踏の知を極めるという側面があります.それに対して,楕円関数論を完成させたワィエルシュトラスの弟子であった哲学者フッサールは,幾何学の起源を「幾何学は測量技術者の言葉を極限操作したものである」としました.あまり知られていないことですが,現代数学全般に影響を与えている楕円関数や楕円曲線の起源も,建築物の梁の形状を記述するためにベルヌーイやオイラーらが行った弾性曲線の研究でした.講演では彼らが数学をどのように発展させ,利用したかを概観します.楕円関数の萌芽に,言葉としての数学の在り方を探り,歴史に学ぶことで指針を提示し,その指針に沿った数学の応用を具体例と共に紹介します.数学はすでに現代技術において重要な位置を占め,これからも大きな役割を担うことが約束されています.これらの視点から言葉としての数学の在り方を示したいと思います.

講演資料

発表スライド
https://mathsoc.jp/assets/pdf/meeting/sougou/matsutani20190916.pdf
https://www.mathsoc.jp/assets/pdf/meeting/sougou/2404matsutani.pdf