日本数学会ビデオアーカイブ
市民講演会 2018年度年会
- 日時2018年3月17日(土) 15:30〜16:30
- 会場東京大学 講堂900番教室
講演者
小島 定吉 (東京工業大学情報理工学院)
講演題目
サーストンの3次元多様体論
講演概要
ポアンカレが創始したトポロジーは,当初はポアンカレ予想を代表に3次元がクローズアップされたが,進展は必ずしも次元に束縛されず,歴史的には3次元は特異という理解が先行した.ところが1970年代にサーストンが登場し状況が大きく変わる.サーストンは1980年にインディアナ大学で開催されたシンポジウム「ポアンカレの数学的遺産」で講演し,その内容を数々の興味深い問題とともに1982年にAMSのブレティンに発表している.問題群の中には3次元多様体論関係が8題含まれている.本講演では,これらが数年前にすべて解決されたことを踏まえ,サーストンの3次元多様体論がどのように始まり,どのように収束し,そして現在どのように進展しているかを話したい.