日本数学会ビデオアーカイブ

市民講演会 2018年度秋季総合分科会

  • 日時2017年9月10日(日) 15:30〜16:30
  • 会場山形テルサ アプローズ

講演者

奈良 知惠 (明治大学先端数理科学インスティテュート)

講演題目

折り畳み式製品の数理工学 —折り紙から厚板ボックスへ—

講演概要

折り畳み傘で代表される「折り畳み式」製品は, 携帯や収納の観点から利便性に優れているので需要が高く, 他にも, 車のエアバッグ, 扇子, ショッピングバッグ, 折り畳みテーブル, 折り畳み梯子, ベビーカーなど多種多様な生活用品があります. とは言っても, コンパクトかつ軽量な「折り畳み式」であって欲しいと思う日常品は, まだまだ沢山存在します.
この講演では, 最近の10年間に急速に進展した「多面体の折り畳み」に関する数理的研究に触れながら, それがどのように産業へ応用されるか, 「折り畳み式ヘルメット」(NHK総合番組「超絶凄ワザ! 最強の帽子対決」のために開発され, 改良版が市販化されたもの)や厚板ボックスの例などを紹介しながら, 今後の展望と課題に迫ります. また, 近年, 注目を集めている「折紙工学」について考察しながら, 日本の伝統的な折り紙が国際語「オリガミ(origami)」として広範囲の研究に取り入れられている現状を紹介します.

講演資料

www.mathsoc.jp/outreach/2017aki/nara20170910.pdf

参考URL

「数学通信」21巻4号の記録

www.mathsoc.jp/publication/tushin/2204/2017nara.pdf