市民講演会
- 日時
- 3月21日(金)14:00--16:30
- 会場
- 早稲田大学 早稲田キャンパス 14号館2階 14-201
- 主催
- 日本数学会
- 共催
- 早稲田大学
- プログラム
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- 14:00--14:05 挨拶 鎌田聖一(日本数学会理事長・大阪大学)
- 14:10--15:10 講演 熊谷 隆(早稲田大学理工学術院)
- 「複雑な系の上を熱はどのように伝わるか?」
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講演概要
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空間内の熱の伝わり方(熱伝導)は、熱方程式という微分方程式の解の挙動を調べることで解析できますが、実はもっと直感的に分かりやすい方法があります。すなわち、空間上にランダムウォークやブラウン運動を作り、その性質を調べることで熱方程式を解析する方法です。
この講演では、ユークリッド空間上のブラウン運動から話を起こし、フラクタルのような滑らかさのない空間、さらにはランダムな空間など、複雑な系の上の熱伝導の仕方について考えます。
- 15:30--16:30 講演 原岡 喜重(城西大学数理・データサイエンスセンター)
- 「数学って何?」
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講演概要
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なぜ学校では数学を教えるのだろう、とか、数学なんて何の役に立つのだろう、と思ったことはありませんか。あるいは、世の中には数学者というのがいて、自分の好きな研究ばかりしているようだが、その存在意義はどこかにあるのだろうか、という疑問もあるかもしれません。そんな疑問を持ったときには、「数学ってそもそも何だろう?」と真正面から考えてみるのもよいでしょう。
「数学って何?」という問に対する答はすぐには手に入らないでしょうが(いつまでも得られないかもしれませんが)、この問を考えることで見えてくることは多いはずです。この講演では、「数学って何?」という問を考えるための材料を、古代ギリシアから現在までの人間の営みの中から選んで紹介いたします。数学は怜悧な論理体系を成していますが、その体系は多くの人々の情熱あふれる営みによって築かれたものです。その営みを通して、数学の姿を見てみたいと思います。