市民講演会
- 日時
- 9月7日(土)14:00--16:30
- 会場
- 大阪大学 豊中キャンパス 理学研究科J棟2階 南部陽一郎ホール
- 主催
- 日本数学会
- 共催
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大阪大学大学院理学研究科
大阪大学大学院基礎工学研究科
大阪大学大学院情報科学研究科
- プログラム
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- 14:00--14:05 挨拶 鎌田聖一(日本数学会理事長・大阪大学)
- 14:10--15:10 講演 杉田 洋(大阪大学名誉教授)
- 「ランダムネスの源を求めて―計算の視点から」
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講演概要
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ランダムネスを初めて計算の視点から論じたのはラプラス(1812)でした。それは1つの理念に過ぎませんでしたが、およそ150年後、コルモゴロフ、ソロモノフ、チャイティンの3人は計算論に基づいてそれぞれ独立に数学的に同等なランダムネスの定義に到達します。コンピュータが身近になった現代、ランダムネスは計算に絡む様々な場面で重要な鍵となっています。
- 15:30--16:30 講演 藤野 修(京都大学大学院理学研究科)
- 「小田予想について」
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講演概要
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同じ次元の二つの非特異完備扇が与えられたとき、各々に有限回の爆発という操作を施すと同じ非特異完備扇が得られるか?と問うのが小田予想です。扇とは、n次元ユークリッド空間の有限本のベクトルによる凸多面錐への分割のことです。問題自体はとても初等的ですが、3次元以上では約50年間未解決の問題です。本講演では、扇の定義からはじめて小田予想を説明し、この初等的な予想が代数幾何学の最先端の研究とどう関わっているのか説明したいと思います。弱い形の小田予想は解決されており、その応用が代数幾何学の最先端の研究で重要な役割を果たしていることなども説明したいです。