日本数学会のあゆみ
現代数学入門市民講座 (1999年)
テーマ 「サイ投げからファイナンスまで」
講師 東京大学大学院数理科学研究科 楠岡成雄教授
確率論はヨーロッパの貴族のばくちに関する考察から始まりました。その意味でギャンブルが確率論の生みの親でした。しかし、20世紀にはいると確率論は数学の1分野となり、純粋数学として発展を遂げていきました。そしてその成果は不確実性を持つさまざまな自然現象・社会現象の解析に応用されてきました。
近年、金融業界における規制緩和によりさまざまな複雑な金融商品(デリバティブ)が取り扱われるようになりました。ファイナンスと聞くとギャンブルと思う方は多いと思いますが、ファイナンスの世界では本来リスクの回避や管理が基本となっています。その基礎となるファイナンスの理論はアメリカで1970年前後に誕生しました。しかし、その数学的基礎となる理論(確率解析)の成立においては、伊藤清をはじめとする日本人の貢献が重要かつ不可欠でした。
この講座ではファイナンスの基礎的な考え方の解説、確率解析のアイデアの歴史的発展の解説を行うことで、確率解析とは何か、なぜそれがファイナンスで用いられるようになったかについて述べます。
開催日時 | 1999年12月26日(日)14:00~16:00 |
開催場所 | 湘南国際村センター |
募集人員 | 150名 (応募者多数の場合抽選) |
参加費 | 無料 |
主催 | 社団法人日本数学会、 株式会社湘南国際村協会 |
財団法人かながわ学術研究交流財団 | |
後援 | 神奈川県教育委員会、湘南国際村倶楽部 |