行政刷新会議・事業仕分け判定に関する要望書---我が国の科学技術研究強化の重要性---
行政刷新会議・事業仕分け判定に関する要望書
----我が国の科学技術研究強化の重要性-----
2009年11月30日
(変更)2009年12月02日
本日2009年11月30日に、日本数学会は他の13学会と共同で標記の要望書を文部科学大臣に提出しました。要望書本文は以下の通りです。
この要望書に関して、他学会と共同で記者会見・パネル討論会を下記の要領で開催いたします。当初は、要望書を提出した14学会での共同開催の予定でしたが、数学会を含む17学会の声明を発表する形で、下記の要領で開催いたします。
理事長 坪井 俊
記
主要17学会声明
記者会見およびパネル討論
「行政刷新会議事業仕分け判定に関する要望:
我が国の将来に責任を持つ科学技術研究と若手人材育成・教育の強化」および「今後我々はどう考え行動しなければならないか」
- 日時
- 2009年12月4日(金)
- 13:30 -14:30 記者会見
- 114:30 -16:00 パネラー・参加者討論
- 場所
- 東京大学本郷キャンパス 医学部鉄門記念講堂(医学部教育研究棟14階)
- 詳細
- 詳細は別ページに記載しております。
以上
文部科学大臣 川端 達夫 殿 平成21年11月30日
行政刷新会議・事業仕分け判定に関する要望書 科学技術関連学会への日頃のご理解とご支援に深く感謝申し上げます。私たち学会関係者は、今般の行政刷新会議による事業仕分け,特に科学技術分野に関する審議状況と判定に関して深く憂慮し、我が国の今後の科学技術発展と人材育成に大変な危機感を抱いております。我が国の約23万人の科学技術関連研究者をメンバーに含む主要14学会として、以下の通り、要望いたします。 無駄を省いてより良い国家予算を作るため一つの方策として行われた行政刷新会議の事業仕分けは、妥当と思われる事業判定がある一方で、我が国の国家百年の計を破壊しかねない判定もなされています。特に、長年積み重ねてきた研究者・教育者の努力と議論を科学的検証もなく、また国際貢献・評価も考慮せず、一握りの仕分け作業人と制限された説明者との短時間のやり取りにより大幅な予算削減を決定してしまうことに対して大きな危機感を抱かざるを得ません。文部科学省におかれましては、世界的科学技術と人材獲得の大競争時代において、我が国の将来の運命を決める極めて重要な投資である科学技術と教育・若手人材育成に関連したことについては、将来に禍根を残すことの無いように政策・施策に配慮されますことをお願い申し上げます。 科学技術研究は、中・長期的国家戦略的な政策・施策のもとに進めるべき知的文化的事業であり、収益=効率・成果という財政的視点のみからの仕分け作業には基本的に馴染まないものです。資源・エネルギーに乏しい我が国が先進国の中でプレゼンスを高め国際貢献を果たすことができるのは、世界を先導する科学技術のお陰といえます。こうした観点から、とりわけ以下の4点を指摘し、適切なる対応をお願いする次第です。
環境問題、資源・エネルギー問題、新感染症の問題など、人類は予測できない困難な問題に直面しております。その状況を改善し人類の危機を解決するには先進的科学技術が必須であり、先進国にふさわしい国際貢献と人類社会への貢献は国際的プレゼンスに繋がり、それは我が国の国益でもあります。仕分け作業のように余りにも短期的収益・成果にこだわるあまり、国際社会の中で我が国の科学技術全体の中・長期的展望が見えなくなり、気がついた時には日本の科学技術が壊滅的な打撃から立ち上がれなくなっていたということがないようにご配慮をお願いする次第です。 文部科学大臣殿、副大臣殿、政務官殿におかれましては、我が国の中・長期的国家戦略としての科学技術強化とそのための若手人材育成強化などの将来への投資の展望に立った予算の策定を実施されますよう、強く要望いたします。
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