2006年度日本数学会出版賞

2006年度日本数学会出版賞

2006年度日本数学会出版賞は以下の通りに決定しました。

齋藤正彦著「線型代数入門」
本書は、幾何的な理解を重視し、解析的側面にも配慮のなされた、バランスの良い線型代数の教科書として、1966 年の初版以来、大学における数学教育に大きな寄与をもたらした。
受賞者のことば(「数学通信」11巻2号)
株式会社サイエンス社刊「数理科学」
本誌は、1963 年7 月の創刊以来、数学および数学と関連する諸分野に関する解説記事を載せ、純粋数学と応用数学の啓蒙に貢献し、日本における数学とその関連分野の進展に大きく寄与した。
受賞者のことば(「数学通信」11巻2号)
佐武一郎著「線型代数学」
本書は、1958 年の初版以来、線形代数学の教科書としての標準を確立し、我が国の大学・理工系における数学教育の水準の向上に著しく貢献した。
受賞者のことば(「数学通信」12巻2号)
株式会社日本評論社刊「数学セミナー」
本誌は、1962 年4 月の創刊以来、数学に関する分かりやすく工夫された解説記事を掲載し、高校生から社会人まで広く数学の魅力を伝えてきた。それによって、多数の数学愛好者を養成し、日本の数学の発展に幅広く貢献した。
受賞者のことば(「数学通信」11巻2号)
安野光雅
自由な発想の画集やエッセイを通して、数学の考え方や不思議さを広く紹介し、さらに大人の鑑賞にもたえる幼児向けの教育的な数学の絵本を通して、数学の啓蒙活動に大きく貢献した。
受賞者のことば(「数学通信」11巻2号)
鳴海風
著書「円周率を計算した男」,「算聖伝-関孝和の生涯」等の優れた和算家を題材とした歴史小説により、数学の魅力を多くの読者に巧みに伝え、数学の普及に大きく貢献した。
受賞者のことば(「数学通信」11巻2号)

なお表彰式は以下の次第で開催されました。

日時
2006年3月27日14:50--15:20
会場
中央大学理工学部(後楽園キャンパス)5号館5334教室