2019年度年会
2019年度年会---市民講演会
- 日時
- 3月17日(日)14:00--16:30
- 会場
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 70周年記念講堂
- 主催
- 日本数学会
- 共催
- 東京工業大学理学院数学系
- プログラム
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14:00--14:10 挨拶 小薗英雄(日本数学会理事長・早稲田大学・東北大学) 14:10--15:10 講演1 加藤晃史(東京大学大学院数理科学研究科) 「力学の変遷 ---古典・量子・弦---」 講演概要 ガリレイは「宇宙は数学の言葉で書かれている」という言葉を残しましたが,我々人類は自然の神秘を解読できるレベルにはまだまだ達していません.「自分は海辺できれいな貝殻を拾って喜んでいる子供のようだ」という彼の言葉は,400年を経た現代の研究者にも突き刺さっています.本講演では,物理学,特に力学の発展に焦点を絞って,人類が自然をいかに数学的に解読しようと苦闘してきたかを振り返るとともに,今後の課題にも思いを馳せたいと思います. 15:30--16:30 講演2 平野葉一(東海大学文学部文明学科) 「レオナルド・ダ・ヴィンチの数学研究---知と技の間で」 講演概要 ルネサンスの天才といわれるレオナルド・ダ・ヴィンチは,数学にも大いなる関心をもっていたことが知られている.その多くは古代ギリシア以来伝えられてきた数学の諸問題に関わるが,その研究方法は,おそらくは根底では理論的な内容を思考しながらも,より具体的な形で表現するというものである.とくにさまざまな道具のデッサンを残している点は興味深い.その発想にはまさに天才の直感ともいうべきものが見出される.本講演では,レオナルドのユークリッド『原論』研究,円の求積,黄金比概念への意識などを中心に,ルネサンス数学の一端を紹介する.