2014年度年会

2014年度年会

教育委員会主催教育シンポジウム
「数理科学分野の参照基準作成を受けて--数学科の教育と工学系の基礎教育はどうすべきか?」

日本学術会議では、各大学がその分野の大学教育の教育理念やカリキュラムを作成する際に参照すべき文書として分野別の参照基準を作っていますが、昨年9月に「数理科学分野の参照基準」を発表しました。この参照基準では、日本の数理科学教育の問題点を指摘した上で、「数理科学分野の専門教育を行う場合には、数学・統計学・応用数理などのどれに重点を置いて教えるか、また、理論的に教えるか、応用に重点を置いて教えるかなどの多様な選択肢がある」と言ったことが書かれています。

そこで今回の教育シンポジウムでは、数理科学分野の教育の中でも数学科の教育と工学系の基礎教育に重点を置いて、どの様な教育を行うべきかについて検討したいと考えています。先ず、主催者側から、数理科学分野の参照基準と工学系の基礎教育の問題点を紹介した後、パネルディスカッションでは、これらの点についての意見交換を行いたいと思います。

主催者側の問題意識としては、数学科などの教育に関しては、「卒業生の進路としては、研究者だけではなく、中学校・高等学校の数学教員やシステムエンジニアなど多様な進路があるのに、日本の大学では数学研究者養成に特化した教育を行っているのではないか?」、「コンピューターの進歩に合わせた数学教育の改革ができていないのではないか?」など、工学系の基礎教育に関しては、「サービスを受ける工学系の学部・学科などが求めている教育ができているのか?」などの疑問があります。

日本数学会の多くの会員に参加して戴きたいと思っています。

日時:3月15日(土)14:30--16:30
会場:学習院大学 北1号館 401
プログラム
14:30--14:40 宮岡洋一(日本数学会理事、前理事長、東京大学)
開会の挨拶 
14:40--14:50 森田康夫(日本数学会監事、東北大学)
シンポジウムの趣旨説明
14:50--15:20 森田康夫(日本数学会監事、東北大学)
「数理科学分野の参照基準と数学科の教育について」
15:20--15:50 藤本一郎(金沢工業大学)
「応用系数学基礎教育の課題--国際化と質保証の観点から」
15:55--16:30
パネルディスカッション
司会:宇野勝博(教育委員会委員長・大阪教育大学)