- 日時
- 3月18日(土)14:15--16:45
- 会場
- 中央大学 5号館 5階 5534教室
- 主催
- 日本数学会
- 共催
- 中央大学
- プログラム
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- 14:15--14:20 挨拶 清水扇丈(日本数学会理事長・京都大学)
- 14:25--15:25 講演 大島利雄(城西大学数理・データサイエンスセンター)
- 「Japanese Theoremとカタラン数」
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講演概要
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互いに交差しない対角線を用いて凸多角形を三角形に分割することを考えます.円に内接する多角形では,分割された三角形に内接円を描くと,その半径の総和が分割の仕方に依らない,という美しい結果が成り立ちます.これはJapanese
Theoremと呼ばれています.丸山良寛という人が1800年に東北地方の鶴岡山王社という神社に奉納した算額に,四角形の問題が書かれていて,それが起源とされています.初等幾何のいくつかの定理と関係した多くの証明が知られています.
凸多角形の三角形分割は最近のいろいろな数学に現れています.また,分割の仕方の数は,カタラン数と呼ばれる数で,トーナメント戦の図やある条件を満たす道の数など様々な場合の数にも現れ,ランダムウォークとも関係します.
これらの話題を解説すると共に,多角形の三角形分割のような対象をコンピュータで如何に扱うか,ということにも触れたいと思います.
- 15:45--16:45 講演 川平友規(一橋大学大学院経済学研究科)
- 「フラクタルと力学系の安定性」
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講演概要
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円や放物線の一部をズームアップしていくと,曲線の曲がり方は次第に和らいで,あたかも線分(直線)のように見えてきます.とくに,微分積分学における「微分」の考え方は,このような観察に基づいたものでした.一方,自然界の海岸線は,どの縮尺の地図でもギザギザしていて,拡大したからといって線分のように見えることはありません.「フラクタル」とよばれるこの種の複雑な図形は,自然界ではごく一般的なのですが,数学の対象としては少し勝手が違っているようです.
本講演では,海岸線のような「フラクタル」を数学的に生成する「力学系」とよばれるシステムに着目します.自然界が気まぐれに作り上げたようにも見える「フラクタル」たちですが,この「力学系」の世界では,きわめて堅牢で安定した存在となり得るのです.「フラクタル」を通して,この世界に潜む「安定性」の秘密に触れてみましょう.
事前参加登録
中央大学における日本数学会市民講演会では【事前参加登録】が必須となります.
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参加登録締切:2023年3月10日(金)
※
参加者多数の場合には締切前に申込を終了することがあります.